金箔塗りの、筍のブログ。

(´・ω・)結構自由人です。そのせいで損ばっかりです。

鈍色の楽園のおはなし

明るく幸せな日常。色とりどりの生活。美しき感情の

今日、世界は美しい色で染まっております

空にが昇り、物はを反射して、を映し出し、美しく輝き

日が沈めど、の僅かな光は、仄かにく、世を照らし。

幸せのあふれる島。日の本に在りて、輝きを失わぬ楽園

ここは楽園。幸せの、ほんの少し隣。

ここは楽園。鈍色に染まる、自由の島。

ここは楽園。嫌われ者の、最後の漂流地。

 20xx年、世界にふと超能力ブームがまきおこる。

種も仕掛けもなく、物を動かす者が現れた。火をおこす者が現れた。砂を操る者が現れた。瞬間移動する者が、天気を操る者が、死なぬものが、空を飛ぶものが、異形の姿に変わるモノが、兵器を産み落とすモノが、現れた。いくつも、いくつも

なんて事の無い学生が

仕事に追われる社員が

指先一つで大金を動かす富豪が

テレビで活躍する俳優が

路頭に迷い、死を待つものが

ふと。本当に前触れも無く。「力」を持ち始めた。

それは人には余る力。一人の人間を国家級の兵器に至らしめる力。

誰にも気づかれずに、人を殺め、事故を装い、物を奪い、「力」が、一つの町を潰したころに

ふと、ブームは幕を閉じる

 

世を賑わせていた超能力者は一人、また一人と姿を消してゆく

楽園は、また、何事も無かったように輝き始める

その内に、鈍色の塊を、孕んで。

 

そう

ここは楽園

鈍色の、楽園

幸せの隣、自由の島

嫌われ者の、漂流地

力を持ったモノの、最後の地

生存は約束されず、平穏は約束されず

生活を約束され、自由を約束され

警察も、法も国家も無く

すべてが合法で、許され

力あるものは、皆

殺し合い、奪い

恐れ、嘆き

震え

 

鈍色に、染まる。